ノンアメリカニゼーション。

ごく普通の日本人がアメリカの田舎で生きていく記録。


ノンアメリカニゼーション。

ごく普通の日本人がアメリカで生きていく記録。


アメリカの社会人一年目を終えて

ご無沙汰しています.前回の記事からまた一年が空いてしまいました...ここ数年は年に1回弱のペースで更新してるので,今年こそ少しずつ更新していきたいと思っています(願望).もう文章書くのが久しぶりすぎてまともな記事が書けるのか怪しいですが...

とりあえず今もアメリカで社会人をやっています.来月で社会人になって丸一年が経つので,簡単にどんな感じだったのかをまとめてみたいと思います.



f:id:yakkun19:20190823113918j:plain
(特に載せる写真もないのでキャンプしたときの星空@New Mexico)


Data Scientistになった

昨年9月から,小売企業にてData Scientistのポジションで働いていました.

データ・サイエンティストとは、さまざまな意思決定の局面において、データにもとづいて合理的な判断を行えるように意思決定者をサポートする職務またはそれを行う人のことです。統計解析やITのスキルに加えて、ビジネスや市場トレンドなど幅広い知識が求められます。 -- データ・サイエンティストとは? | SAS

具体的には,小売企業の価格を最適化するお仕事です.利益を最大化するには価格をいくらにすればよいのか統計的に決めるっていう感じ.典型的な経済学の問題ではあるのですが,最近熱いトピックでもあるAI・機械学習を応用して,なかなか面白い仕事&研究をしていました.

働いてみた感想としては,労働環境がものすごく恵まれているという印象.一日8時間で残業はなし.残業するほど仕事が残る場合は,プロジェクトマネージメントが上手く回ってないということで,人材の再配分やプロジェクト計画が見直されます.祝日は少ないですが有給が多いので,日本に数週間一時帰国することも可能でした.

理系職の待遇は世界でもかなり良い方らしく,Glassdoorによると,現在住んでいるテキサス州オースティンでは,ボーナス抜きの平均年収がSoftware Engineerだと$89,651(=950万円),Data Scientistだと$102,470(=1080万円)とのこと.サンフランシスコとかだと更にこれの1.5〜2倍くらい貰えます.生活費も高いので一概には比較できませんが,世界でもなかなかこれだけ貰える国はないのではないでしょうか.

これだけ見てると「アメリカで働くのめっちゃええやん!」ってなりそうだけど,そう上手くはいかないことも多々あります.


就労ビザに落ちる

アメリカで働く上で一番大変なのが,滞在資格(ビザ)の取得.働くためには就労ビザを取らなければいけません.アメリカで大学や大学院を出ると,OPT(Optional Practical Training)と呼ばれる期間があり,学位・学部により1〜3年は学生ビザのまま働くことが可能です.

就労ビザは毎年4月に申し込みがありますが,発給数が毎年85,000人までと定められています.より良い環境を求めて世界中からアメリカに働きにくる人たちがいるので,近年は毎年200,000人以上の人が申し込んでいます.そのため就労ビザを取得することが非常に難しく,それなりの能力があってもなかなか働くことができないのが現状です(もちろんスーパー優秀な人は別枠があります).

今年の4月にビザには応募したのですが,残念ながら抽選漏れ.OPTがまだ2年ちょいあるため,あと2回は抽選の機会があります.この2回でビザが取れなかったら,他の国に行くか,日本に帰るか,はたまた違う滞在資格を目指すか,何かしらの選択を迫られるということになります...


予想外の事実が発覚する

OPTが3年間あるからまだ大丈夫と思っていた矢先に,会社のマネージャーと人事の人から話があると呼び出される...

(なにこれ怖い)



...


マネージャー「今までOPTの人雇ったことなかったから知らなかったんだけどさ…」




マネージャー「うちのオフィス,OPTで働けるの一年目だけっぽいんだよね.




マネージャー「だから働き続けたいんだったら本社(アトランタ)からリモートで働いてくんない?」




俺「工エエェェ(´д`)ェェエエ工


...


まさに寝耳に水... オースティンはすごく住みやすくて良いところだし,新しく交友関係も広がってきたし出たくないというのが正直な感想.そして何よりも,一人でリモートで仕事をするという環境が心配でした.まだまだペーペーの社会人一年目なので,上司や同僚に気軽に聞けたり議論できる環境が自分への成長にも繋がると思っていました.しかしこのままではこのオフィスでは働くことができない...一体どうすれば良いんだ...

しかもビザの落選が分かったのが4月末.OPTの更新は8月までにはしないといけないので,できるだけ早く今後の方向性を決めなければなりません.


転職を決意

やはりこのままこの会社で働くことには不安要素が残ったので,転職を決意.LinkedIn等の就職サービスを使って空いてる時間で転職活動を開始.大学院を出るときは就労経験もなかったため就活はかなり難航したのですが,今回はたった9ヶ月の就労経験があったので,割と順調に転職活動は進みました.ちょうどポジションが空いていたり運も味方してくれたおかげで,5月末にオースティンの他の企業から希望のポジションにオファーが出て,転職することに.

転職先はEコマースの企業で,ここでもData Scientistとして働くことになりました.新しい職場でもAIや機械学習をビジネスに応用する仕事をしております.前職の上司も同僚も本当に良くしてくれたので辞めるのは寂しかったのですが,ビザ関連の問題だったため円満に退社できました.「またビザが取れたら戻っておいでー」とも言ってくれたので,またどこかで皆と一緒に仕事ができたらなーなんて思っています.

ここに至るまで
4月:ビザに落ちる・転職スタート

5月:内定

6月:転職
とスピーディで,こういうところもアメリカらしいと思います.実際に職場の人材は非常に流動的でした.オフィスには合計60人くらい社員がいたのですが,多いときは月に5人ほど辞めて新しい人が入ってくることもありました.


そして今にいたる

そして現在,転職してから2ヶ月が経ちました.新しい職場はどんな感じか不安だったのですが,仕事内容は以前の会社よりも研究寄りで,より専門性や技術が身につきそうなので気に入っています.やりたいことがあれば割と自由に色々させてくれる感じなのも良し.労働環境も相変わらずアメリカンな感じなので,そんなに前職と変わらない生活リズムが続けられています.本当にラッキーでした.

この一年の経験から,アメリカ(というか海外?)で働くということは,明日一体どんなことがあるか分からないんだということを教訓として学びました... 今現在でも,数年後に自分が一体どこで何をしているのか正直ほとんど分かりません.日本で大学を出てそのまま働いてたらもっと人生設計が楽に立てられたんだろうなーなんて思うこともありますが,まぁもう今さらそんなこと考えても遅いので前を向いて生きていきます笑 きっとこれからも大きな決断を迫れることが何回もあると思いますが,その度によく考えて選択していきたいと思います.


あとがき

この一年の一番の事件を大まかに書いてみました.やっぱり明らかに文章力が劣化している気がする... リハビリのためにもこれからまた少しずつブログを書いていきますね.(次回が一年後になったらごめんなさい